スマホアプリ「7年後で待ってる」の考察です。
今回の考察は、本編のみならず、課金プランの上段・下段すべてのエピソードをご覧になった方向けです。
ここでは7年前にハルトがアオイから心臓移植を受けたという「虚偽の手術記録」が残された理由について考えてみたいと思います。
というのも、私は直感的に「虚偽の手術報告がタイムリープの利害関係者により作成された」と思っていたのですが、7年前の「爆発事故」と「移植手術(嘘)」は同日の出来事だったため、それはあり得ないのでした。
となると、どんな思惑があったのか。
まずは、事実関係を整理していきたいと思います。
※ゲーム中で言及のあった箇所については、表中「関連チャプター」に出典を記載しています。表記方法は以下のようにしております。
表記方法の例
- CH20…Chapter 20
- EP3…Epilogue 3
- SS上…Side Story 上段
※Side Storyについては課金要素なので、具体的なエピソード名を明かさず表記しています。
事実と推測
出来事 | 事実or推測 | 根拠 |
---|---|---|
ハルトは心臓が弱いわけではなく、「本来生まれてはいけない子」ということで病院に隔離されていた | 事実 | SS下 |
その事情を知っている者は菊水父や一木父、立石など、ごく少数に限られ、それはタイムリープ関係者に限定されると思われる | 推測 | 一木ですら父から聞かされていないため |
病院の一般関係者は、一木も含めて「ハルトは心臓が弱くて入院している」との認識 | 事実 | 各所 |
アオイは最期に「ハルトへの心臓移植」を希望 | 事実 | CH38 |
アオイの希望を聞いた一木は、手術のためにスタッフを集める | 事実 | CH38 |
直後、研究棟で爆発事故が発生。タイムリープ関係者が犠牲に | 事実 | CH38 |
当の一木は新人の医者であったこと、外科手術は専門外だったこと、自身も盗み出した原料を指定された土地へ運ぶミッションが課されていたこと、その後記憶が消されたことなどから、移植手術に関しては記録に頼るしかない | 事実 | CH35, CH38, EP9 |
ハルトを引き取った空木夫妻は、移植手術の記録を見せられ、ハルトはアオイから心臓移植を受けたとの認識である | 事実 | CH17 |
以上のことから、病院に残されたスタッフの状況としては、
- ハルトとアオイのタイムリープ実験については誰も知らない
- ハルトは心臓が弱いという認識を持っている
- アオイがハルトへの心臓移植を希望していることを、一木から伝え聞いた
→ハルトがワクチンで眠らされ、アオイが脳死薬で殺されているという意味不明な状況
こんな感じのため、病院側は混乱しつつも、ともかくまずは移植手術の準備に取りかかったことだろう。しかし手術前に改めて検査してみるとあら不思議、ハルトの心臓はどこも悪くないではありませんか。ということで手術は不要と判断。
(お粗末な病院だったら、ここでハルトの心臓に問題がないことに気づかずに、移植手術が行われていたかもしれない…?)
病院側の思惑
しかしそうなると新たな問題が。
- アオイの死因
- 実は健康体なハルトが入院していた理由
に加えて、
これらを、ハルトとアオイを引き取りたいという空木夫妻にどう説明するかという問題である。
アオイに関しては「脳死薬投与で亡くなりました」とは言えない。
ハルトに関しても「実は最初から健康でした」とは言いにくい。
そこで残された病院スタッフは、当初の予定通り移植手術が行われたものとして、さらにアオイの死因を適当に発作として誤魔化すことにした。アオイ本人は移植を希望していたという証言もこの際利用し、四苦八苦の末、手術記録を偽装したものと考えられる。
ただ、翌日にはハルトが病院からいなくなっている(=空木夫妻に引き取られている)ことを考えると、病院側としてはごく限られた時間の中で上記の決断をし、その偽装情報を空木夫妻に伝える必要があった。手術準備の際には当然、人手を要したであろうことから、そこにいたスタッフ全員に「ハルト実は健康」情報と「ハルトの移植手術は嘘」情報を封印するための強いリーダーシップを持つ人物が必要だったはずだ。
多くの権力者が集中していたと思われるタイムリープ関係者は全員死亡した。アヤトは臨床実習を終えたばかりで、何よりその日、不測の事態で父親を失っており、そんなリーダーシップが取れたとは考えられない。
では、一体誰がそんな統制を取ることができたのか。
作中の人物で一人だけ思い当たる。
それはカケルの主治医ではないだろうか。
彼は7年前の事故から唯一残っているスタッフであるとリクが説明している。病院の不正にイチャモンをつけてきた研修医の新谷を、記憶を消した上で左遷するという強力な権限も持っている。背後に時津グループの権力がはたらいていることは間違いない。
そんな権限を持った彼ならば、真実が漏れる前にハルトの手術に立ち会ったスタッフたちを一掃することもできるし、その後の病院不正の隠匿を主導することもできるだろう。
続編のシナリオ
その後、アヤトは院長となり、一木に「病院にとって邪魔な者の記憶を消してくれ」と依頼しているが、実は彼はカケルの主治医の傀儡だった可能性がある。
彼も一木と同様、爆発事故直後は新人の医者に過ぎない。そんな彼が西方病院の経営方針の主導権を握れるとは考えづらい。世間的に見れば「亡くなった院長のご子息が経営を引き継いだ」としてアヤトを院長に据えるのが美談として応援されそうという病院側の思惑があったのではないか。
物語の終盤で、アヤトは「病院の不正をすべて公表する」と決意を新たにしているが、この物語に続編を作るとするならば、次は
院長・菊水アヤト VS 裏ボス・カケルの主治医
という構図になるのかもしれない。
その権力闘争にコメディアン・一木(笑)がどう絡むのか?なかなかオモシロそうな続編である。
(もちろん、一木には菊水の補佐役として戦うことを期待しますけどね!)